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オープンダイアローグ

1.オープンダイアローグとは

フィンランドでは、オープンダイアローグ (Open Dialogue) と呼ばれる対話の手法があります。オープンダイアローグは、主に精神医療分野での対話の手法として始まりましたが、現在は社会全般で広く活用されています。オープンダイアローグの主な特徴は、積極的な参加と共同決定の促進にあります。つまり、対話に参加するすべての人が自分の意見や経験を自由に表現し、それらを共有することができるようになっています。また、決定はすべての参加者が協力して行うものであり、組織や権威による一方的な決定は行われません。オープンダイアローグは、フィンランドの精神医療分野において、緊急時には病院やクリニックの外でも、患者とその家族、医師や看護師、ソーシャルワーカーなどが集まって話し合いを行うことができるようになっています。この方法は、精神医療の脱施設化や地域密着の取り組みとして、フィンランド国内で注目されています。また、オープンダイアローグは、社会問題や政策決定においても活用されています。政府や自治体、市民社会団体などが、市民や関係者と共に対話を行い、共同で問題の解決策を考えることができます。フィンランドのオープンダイアローグは、対話の文化や人間関係に重きを置き、相手を理解することで問題解決につながる手法として注目されています。

 

2.手法

オープンダイアローグは、精神医療分野だけでなく、様々な分野で活用される対話の手法です。以下に、その手法について詳しく説明します。
  1. 全員参加型の対話 オープンダイアローグでは、対話に参加する全員が積極的に参加することが重要です。患者やその家族、医師や看護師、ソーシャルワーカー、そしてコミュニティのメンバーなど、全ての参加者が自分の意見を自由に表現し、それを共有することができます。

  2. 共通の言語の使用 オープンダイアローグでは、全員が共通の言語を使って対話を行います。これは、参加者が互いの意見を正確に理解し、相手の立場に立った対話を行うために必要です。

  3. 洞察力と想像力の活用 オープンダイアローグでは、参加者が相手の意見や立場を理解するために、洞察力や想像力を活用します。これによって、参加者は自分の経験や思考を超えて、相手の視点や感情を理解しようとします。

  4. 受容的な姿勢 オープンダイアローグでは、参加者が相手の意見や立場を受け入れる姿勢を持つことが大切です。これによって、参加者は相手を批判したり、否定したりすることなく、相手の意見や立場を尊重することができます。

  5. 共同決定の促進 オープンダイアローグでは、参加者が協力して決定を行うことが重要です。つまり、組織や権威による一方的な決定は行わず、全員が協力して問題解決に向けた決定を行うことが目指されます。

オープンダイアローグは、これらの手法に基づいて、相互理解や共同決定を促進する対話の手法として注目されています。

 

3.手順

 

オープンダイアローグは、以下のような手順で行われます。

  1. グループの形成 まず、参加者がグループを形成します。グループは、治療や問題解決のための共同体として考えられます。グループには、患者やその家族、医師や看護師、ソーシャルワーカー、そしてコミュニティのメンバーなど、さまざまな背景を持つ人々が参加します。

  2. イントロダクション グループの形成後、ファシリテーターによるイントロダクションが行われます。イントロダクションでは、オープンダイアローグの目的やルール、参加者の役割などについて説明が行われます。

  3. プレゼンテーション 次に、参加者が自己紹介を行います。自己紹介では、自分の背景や関心事などについて話すことができます。これによって、参加者同士がお互いの立場や関心事を理解することができます。

  4. ラウンド ラウンドは、各参加者が自分の意見や感情を自由に表現する時間です。参加者は、自分の意見や感情について、自由に話すことができます。その際に、他の参加者からは中断や質問は行わず、参加者の話に注目することが求められます。

  5. リフレクション リフレクションは、参加者が話した内容について、他の参加者がフィードバックを行う時間です。参加者は、自分の理解や感想を述べることができます。これによって、参加者同士が相互理解を深めることができます。

  6. 結論 最後に、グループ全体での結論がまとめられます。結論は、全員が協力して決定することが目指されます。また、結論には、参加者が今後行う行動や、改善すべき点などが含まれます。

以上が、オープンダイアローグの手順です。各手順は、参加者同士の相互理解を促進し、共同決定を促すために設計されています。

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4.イントロダクションは具体的に何を説明すればいいの?

 

オープンダイアローグのイントロダクションでは、以下のような内容を説明することが望ましいでしょう。

  1. オープンダイアローグの目的 参加者に、オープンダイアローグが何を目的としているのかを説明することが必要です。具体的には、参加者同士が対話を通じて相互理解を深め、共同決定を行うことが目的となります。

  2. オープンダイアローグのルール オープンダイアローグには、ルールがあります。参加者にルールを説明し、守るように求めることが必要です。具体的には、参加者同士が尊重し合い、互いに話し合いを中断しないこと、相手の話を聞くこと、自分の意見を正直に表現することなどが求められます。

  3. 参加者の役割 参加者が、オープンダイアローグにどのような役割を果たすべきか、説明することも重要です。

オープンダイアローグでは、参加者は自分自身や自分たちの経験について話すことが求められます。また、自分の意見や見解を率直に表現することも重要です。ただし、参加者は相手の話を尊重し、自分の意見を通すために相手を攻撃したり、否定したりすることは避けるように求められます。対話を通じて、お互いの理解を深め、共通の目標を見つけることが求められます。

さらに、オープンダイアローグでは、参加者は自己省察を行うことも求められます。自分の偏見や前提を認識し、それに基づいて自分の意見や行動がどのような影響を与えるかを考えることが重要です。また、参加者は、オープンダイアローグを通じて、自分自身や他人との関係性を深め、自分自身を発見することができます。

参加者は、このような役割を果たすことで、共同決定を行うための共通の理解を深め、より良い結果を生み出すことができます。

 

5.参加者の役割

 
1. 聞き手としての役割 オープンダイアローグでは、参加者は話し手と聞き手の両方の役割を担いますが、まずは聞き手としての役割を果たすことが求められます。話し手が話している内容に注意を払い、理解するように心がけましょう。
2. 発言者としての役割 自分自身の意見を正直に表現することが重要です。ただし、自分の意見を表明する際には、相手を攻撃するような表現は避け、相手に対して尊重を示すようにしましょう。
3. 共同決定に向けた役割 オープンダイアローグの目的は、共同決定をすることです。そのため、話し合いを進める中で自分の意見だけでなく、他の参加者の意見や考えを聞き、受け入れるようにしましょう。
4. 自己認識に向けた役割 オープンダイアローグでは、自分自身がどのような価値観を持ち、どのような背景や文脈から来た意見を持っているのかを自己認識することが求められます。自己省察を行い、自分の偏見や前提を認識し、それが自分の意見や行動にどのような影響を与えるかを考えることが重要です。自分自身の内面を探求することで、他者との理解を深め、より建設的な対話ができるようになります。
5.調整役としての役割 オープンダイアローグでは、参加者全員が平等な立場で話し合いを進めることが重要です。そのため、誰かが発言を遮ってしまったり、議論が一方的に進んでしまった場合には、調整役としてその場を修正する役割が求められます。

これらの役割を果たすことで、オープンダイアローグはより建設的な対話を促し、参加者全員が共同決定に向けた共通の理解を深めることができます。

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6.オープンダイアローグのチェックシート

 

オープンダイアローグにおいては、参加者が対話の流れを意識しながら進めることが重要です。そのため、チェックシートを用いることで、参加者が対話の進行を確認し、必要な修正を行うことができます。以下は、一例としてのオープンダイアローグのチェックシートです。

  1. 参加者全員が話しやすい雰囲気が作られているかどうか。
  2. 発言の内容が、相手を攻撃するような表現になっていないか。
  3. 発言の内容が、自分の意見に基づいているか、それともただ感情的なものなのか。
  4. 自分の意見だけでなく、他の参加者の意見も積極的に聞いているかどうか。
  5. 相手の意見に対して、真剣に考え、受け止めているかどうか。
  6. 自分自身がどのような価値観や前提に基づいているかを自己認識できているか。
  7. 議論が一方的に進んでいないかどうか。
  8. 議論が最終的に共同決定に向かって進んでいるかどうか。

このように、チェックシートを用いることで、参加者は自分自身の対話のスタイルを確認し、必要な修正を行うことができます。ただし、オープンダイアローグはフレキシブルな手法であるため、上記のチェックシートが全てに当てはまるわけではありません。参加者が対話の進行を意識しながら、柔軟に対応することが求められます。